どうして君を好きになってしまったんだろう




同意を求められ、黙ったまま首を縦に振ると彼女たちはだよねーと言ってケラケラ笑った。




「しかも月の彼氏もターゲットになっちゃったよね。浮気されてたんだっけ?」


「ちがうよー。寝取られたんだよ確か。
ね?そうだよね?」




どくん、と音がなった。

心臓が大きな音を立てて暴れ出した。


目の前がチカチカして。

気を抜くと倒れてしまいそうだった。




「その話はやめてあげなよ。
月がかわいそうじゃん」


「あ、そっか
ごめんね?
月ってばほんとかわいそう」





くすくす。


彼女が笑えば、みんなも笑う。



かわいそう


彼女がそう言えば、みんなもそう言う。




憐れむ目を向けられるのにはもう慣れた。




「別に、どーでもいいよ。
それより早く行こうよ。遅れちゃうよ」



自分でも驚くほど冷たい声だった。



「…そーだね、早く行こっ」



おもしろくなさそうな顔をした美香は、私の方に向けていた体を前に戻して歩き始めた。それを追いかけるように歩き始める子たち。




なにも知らない彼女たちに、


心底同情した。