「月(ゆえ)ー! 久しぶり」



気を失いそうな暑さをなんとか乗り切り、学校の門をくぐると後ろから肩を叩かれた。



振り返るとそこにはほぼ金髪に近いロングヘアーをした美香(みか)が立っていた。


「美香ちゃんおはよう」



微笑みながらそう言うと、彼女は暑いねー と言ってニコッと笑った。



この炎天下の中、どうすればそんなに眩しい笑顔が作れるのかが不思議だ。




二人で教室まで行きドアを開ける。
開けた先には見慣れた顔が揃っていて、お互いに軽く挨拶を交わす。


みんな肌が黒くなったり髪の毛を切っていたり、やっぱり夏休み前と全く変わっていないのは私だけなのかな、なんて思った。




それから窓側の一番後ろという夏場では最悪な私の席にカバンを置いて座った。



暑かったなぁ
少し、休憩していかなきゃ体育館には行けないや。


手をパタパタ仰いでなんとか涼もうとしていると、斜め前に座る美香が振り向いた。