夏休みは、毎日のように四人で遊んだ。


そしてお互いの家に遊びに行くうちに次第と親同士も仲良くなり、なにか行事があれば大体はこの四人と四家族で過ごしていた。


夏休みはお祭りに行って、プールへ行って、夜には花火もして。


頭の悪い私と千歳は、頭の良い花凛と海に夏休みの宿題を手伝ってもらったりもした。


楽しくて楽しくてたまらなかった。



「月っ!今日は久しぶりに公園で遊ぼーぜ!」


夏休みも後半。
海の口調がうつって、すっかり乱暴な口調になった千歳が虫かごと網を持って家にやって来た。後ろには麦わら帽子を被った花凛もいる。



「うん!いくいくっ。
あれ、海は?」


いつも幼なじみである花凛と強制的に一緒に行動させられているハズの海の姿が見当たらない。


「なんか海ってば、今日は遊べないんだって〜。お家から出てこなかったの」

「そうなんだ?変な海〜」

「海がいない間に秘密基地作ってさっ。
驚かしてやろーぜ!」

「さんせー!」

「たのしそう!」



その日は海がいないせいか、決め事がスムーズに進んでいった。いつも海のわがままで花凛を怒らせちゃうから。



「あ〜海、明日は遊べるかな。
早く秘密基地見て欲しいな〜。」

「私が絶対に連れてくるよ!」

「俺たちの秘密基地すごいよなっ。
海も見たらびっくりするぜ!」