…ほ?

長嶋君長嶋君。

今なんとおっしゃいましたか?

「おい、智恵子。聞いてんのか。」

「…。え…、え?」

訳が分からない。長嶋君に言いたい。

人違いですか。って、

でもそんなふいんきじゃないし…

言ったらダメなような気がする。

「保健室いくぞ。」

「は?」

「おい、お前ら、」

長嶋君の低くなった声に

女子達は肩をビクっとあげる。

「俺に彼女が居ること知ったんなら

もう俺に近寄るな。」

「は、はい…っ」

そう行って逃げ出して行った女子軍団。

殿様かよ…

「行くぞ。」

「きゃっ…」

急に腕を掴まれてバランスを立て直しながら長嶋君についていく。