故に、僕は自慰しなかった。“僕はしないんだ”は嘘で無かった。そうして、僕はそれを真実にしなければなりませんでした。それを、僕はしました。多くの試行錯誤の末。最初の射精があって二年と八ヵ月後、最終的に。一つのライターが効き目を発揮しました。それ以降、僕は[もうか]孟軻の本を開けばいつも直ぐにそれを脇へ放り出して深い溜め息をつくのでした。あの男の云う通りだ、ホルンこそは無秩序の根源である、と自分自身に云ったものです。彼は誰よりも良く知っていたでしょう。