僕は彼女を*** ****したくなかった。綺麗な女を見て僕は****になりませんでした。自ら汚す時は雑誌を見ませんでした。射精の衝動を起こす為に雑誌が必要だったのなら、僕はどんなに幸せだったでしょう!人生は平穏だったに違いありません。今でも僕にとってそうであるように、射精衝動は雑誌を[めく]捲るページ数とは無関係だったのです。むしろ、『孟子』を捲るページ数と相関していた。ある夕方、漢字ばかりが縦列を作すその本の意味がなかなか分からず、辞書を引き引き苛立たしい思いで読み続けていた時、我知らずズボンの上から性器をいじっていました。若し読むのをふと中断してその事で何かを思ったとしたなら、そんな汚い物に触れていた事にただ嫌悪感を催しただけで、それ以上の事は何も無かったでしょう。何か考え事をしている最中に我知らず指で鼻孔を掃除している事に気付く時と同じように。罪悪感はありません。急に何かが痙攣したように感じて手で強く抑えました。もだえながら体を二つ折りにする恰好になりました。頭が真っ白になりました。この初めて汚れた折、今のが性欲の仕業だったのだと直ぐには心付きませんでした。人間が生殖する為に男女が性交するものだとは、本で良く知っていました。しかし、それは、今自分が体験した事と結び付かなかったのです。