「それでは、ゆっくりでいいですので上着を1枚脱いで下さい。」
大柄の男性の問いかけに私は黙って上着を脱いだ。
「結構胸でかいなぁ~。」
私を連れてきたスーツ姿の男性の独り言が聞こえる。
『そうゆう意味ではお前は何の取り柄もない事もないな。胸が大きい取り柄だけあったわ。』
晴之にも言われた。
(結局、私には胸の大きさしか取り柄がないんだ…。)
自然と苦笑いを浮かべる。
「緊張してる?」
私の苦笑いが緊張しているように見えたのだろう。
「…はい。」
「初めは誰だって緊張するから。一度深呼吸してみよう。」
「はい…。」
大きく深呼吸する。
「それじゃあ、ゆっくりでいいから、カメラを見つめながらブラを外してくれるかな…。」
大柄の男性の問いかけに私はまた黙って頷いた。
両手を背中に回し、ブラのホックにかける。
(これでいいのよ…。)
胸しか取り柄のない女は胸だけ見せていればいいのよ。
所詮、男なんて外見の、しかも胸しか見ていないのだから…。
私は覚悟を決め、目を閉じ、ホックを外そうとした、まさにその瞬間だった。

