「キヨが二人きりにしてくれたおかげで、寧々ちゃんとかなり進展あってさ〜!」



ーーズキン


胸の奥が何かで刺されたように痛い。



「観覧車ん中で告ったら、オッケーもらえたんだ」



……ウソ。



高野くんの嬉しそうな声が、何度も何度も頭の中でこだまする。


頭に強い衝撃が走って、目の前がグラグラ揺れた。


予想していたことだったのに、実際に突きつけられるとこうも違うなんて。


心臓がズキズキ痛くて、立っているのがやっとだった。



「鈴峰にもマジで感謝してる」



高野くんの嬉しそうな顔を見て、涙が込み上げて来る。



「わたしは……何もしてないから。じゃあね」



涙の存在を隠すように、うつむきながら高野くんの前を去る。


これ以上一緒にいると、泣いてしまいそうだった。


笑って『おめでとう』なんて、とてもじゃないけど言えないよ。