二時間なんて、過ぎてしまうとあっという間だった。
キヨ君がいろいろ話題を振ってくれたけど、どこか上の空で何て答えたかはあまり覚えてない。
高野くんのことだけが、頭の中にあった。
「花梨ちゃん、疲れた?」
「えっ? ううん、大丈夫だよ!」
「……そう? そろそろお昼にしよう」
あんまり食欲はなかったけど、キヨ君を心配させたくなくて無理やり食べた。
お昼ごはんを食べたあとも、わたし達は色んな乗り物に乗った。
だけど、心から楽しめている自分はいなくて。
盛り上げて楽しませようとしてくれてるキヨ君に、申し訳なさでいっぱいだった。
そして、夕方。
オレンジ色の夕陽が射し込んで、だんだん暗くなり始める。
「そろそろ閉園の時間だね」
「だな。一応海斗に連絡してみるか」
キヨ君が電話し始めたのを見て、鼓動がドクドク音を立て始める。