俺の方が、好きだけど。



「キ、キヨ君……!」



手、手が……!


慣れてないから恥ずかしくて、ドキドキしちゃう。


さっきは大胆にも自分から握ったりしたけど、無意識だったし。



「え? あ、ごめん」



二人に見えないところまで来ると、キヨ君は慌ててわたしの手を離した。


キヨ君の顔が赤い気がするけど、きっと気のせいだ。



「ううん」



「花梨ちゃんの応援してあげたいんだけど。ごめん、出来そうにない」



「い、いいよ。キヨ君は高野くんと友達なんだから、そっちを応援してあげなきゃ……!」



「いや……そうじゃなくて」



え?


そうじゃない?


どういうこと?


わからなくて首を傾げる。



「まぁ、いいや。とりあえず、俺は花梨ちゃんの応援は出来ないからそのつもりで」



「え? あ、うん……」



「よし。じゃあ行こっ!」



よくわからなかったけど、そのあとキヨ君はいつものように笑ったから、特に深い意味はないんだと思った。