見上げると、キヨ君の腕がわたしに向かって真っ直ぐに伸びていて。
手のひらで優しく頭をポンポンされた。
その温もりがあまりにも優しくて、傷付いたわたしの心を包み込んでくれているようだった。
励まして……くれてるんだよね?
「ありがとう……」
キヨ君の優しい心遣いが胸に響いた。
やっぱり優しいよ、キヨ君は。
だってさっきまで胸が苦しかったのに、少しだけ軽くなったんだもん。
「やっぱり断れば良かったな。花梨ちゃん、すごいツラそう」
そう言って、悲しげに笑ったキヨ君。
そんな顔をさせているのは、紛れもなくわたしだ。
ごめんね。



