俺の方が、好きだけど。



ううっ。


さっきまで笑ってたくせに、急に真剣な顔をするなんて反則だよ。


どういう風に返せばいいのかわからなくて戸惑う。


顔が真っ赤になっているのがわかった。



変だよ、わたし。


高野くんのことが好きなのに、キヨ君に対してこんなに赤くなるなんて。



っていうか……キヨ君は罪だと思う。


こんな風に言われちゃったら、意識しなくても真っ赤になっちゃうよ。



「ラブラブだね、お二人さん」



やり取りを聞いていたのか、大石さんがわたし達を見てクスッと笑った。



大石さんの声につられて、高野くんもわたし達を見ている。



ラ、ラブラブ!?


わたしがキヨ君と?


どこをどう見て?



「だなっ。よく見るとお似合いだし」



えっ……?


ーーズキッ


お似合い……。


そんなこと、高野くんにだけは言われたくなかった。


胸が苦しくて、張り裂けそう。


ヤバい、なんか苦しいよ。



悲しくなってうつむくと、不意に頭に優しい衝撃が走った。