切符を買って改札をくぐり、ホームに続く階段を上がる。


高野くんと大石さんの後ろを、わたしとキヨ君が並んで歩いていた。



大石さんに歩くペースを合わせながら、時々『大丈夫?』と屈んで顔を覗き込む高野くん。


後ろから見ていると、色々と気を遣っているんだなってわかって胸が痛む。



その気遣いも笑顔も全部、大石さんにだけ向けられる特別なもの。


高野くんが大石さんに優しく笑いかける度に、胸の中にモヤモヤした気持ちが広がって行く。



やっぱり……ツラい。


こんな気持ちのまま一日持ちそうにないよ。



おまけに電車の中は混雑していて、四人で固まって立っていられるスペースはなかった。