「そういえばさ! 遊園地のチケットがちょうど四枚あって。寧々ちゃん、好きって言ってたよな? 一緒に行かない?」
ーーズキン
胸が激しく締め付けられる。
こんな会話、聞きたくなかった。
大好きだった高野くんの笑顔が胸に突き刺さる。
高野くんの気持ちなんて、知りたくなかったよ。
そしたら、こんなに傷つかなくて済んだのに。
「遊園地かー。キヨ君と鈴峰さんも一緒ならいいよ」
「「え?」」
わたしとキヨ君の声が重なった。
そして、思わずパッと大石さんの顔を見る。
聞きまちがいかと思ったけど、ニッコリ笑う大石さんと目が合った。
聞きまちがいじゃ……ないの?
「二人が一緒なら、行ってもいいよ」
え!?
なんでわたし?
大石さんとはあんまり仲良くないのに。
大石さんは可愛らしく微笑んでいたけど、目は笑ってなくてなんとなく怖い。
どうしてわたしなのか、いくら考えてみてもわからなかった。