話していることが信じられなくて、恥ずかしくて顔が真っ赤になる。
近くで見ると、こんなに背が高いんだ。
健康的なお肌もすごく綺麗だし、何よりもオーラが眩しい。
カッコ……いいよ。
「あの手紙、マジで俺宛てじゃなかった?」
ーードキン
「あ……うん」
「よかったー! 呪いかけられたらどうしようかと思ったし。女子って、くだらないことが好きだよな」
「ご、ごめんね……」
自分でなかったことにしたというのに、なぜだか胸が苦しくて。
直接言うはずだったたくさんの想いが、砂のようにサラサラと手からこぼれ落ちていくようだった。
「じゃーな、鈴峰! また明日!」
無邪気な笑顔を向けられて、鼓動が大きく飛び跳ねる。
わたしの心臓、さっきからすごく忙しい。
今度はドキドキ高鳴って破裂しちゃいそう。
「あ、バイバイ……」
キヨ君にだったらうまく笑えるのに、高野くんを前にすると緊張しちゃって全然ダメ。
うまく喋れない。
小さな声しか出なくて、駆け出して行った高野くんの耳にわたしの声が届いたかはわからなかった。