まっすぐ綺麗な瞳を向けられて、顔に熱が帯びていく。
ダメ、ドキドキするな。
わたしの心臓。
高野くんに反応しないで。
いつも一緒にいる友達はいなくて、今日は珍しくひとりみたい。
それにしても、わたしの顔と名前……覚えてくれたんだ?
そんな些細なことが嬉しくて、気持ちが揺れる。
「昨日あの後よく考えたらさ、思い出したんだよ。鈴峰のこと。隣の席になったことあるよな?」
「え?」
思い出してくれたの?
「あ、えっと、うん。一回だけ隣だったよ」
「やっぱりなー! やたらちっこいから、こいつ黒板見えんのかなぁって気になってたんだよ」
「あ、はは。うん、大丈夫。ちゃんと見えてたよ」
「マジ? ならよかった!」
高野くんは、眩しい笑顔をわたしに向ける。
どうしよう、嬉しい。