まだ習っていないページの問題を当てられ、当然のことながらわかるはずもなく黙り込むわたし。
「早く解いて下さい。時間が勿体無いですよ」
そんなことを言われたって、習ってないんだからわからないよ。
ただでさえ、英語は苦手科目なのに。
「わからないんですか?」
黙り込むわたしに、先生はバカにしたように言う。
もう、素直にわからないって言った方がいいよね。
そのあとまた嫌味を言われるんだろうけど、わたしのせいで授業が進まないんじゃみんなに悪いから。
「前の席の清野君に見惚れてる場合じゃないでしょ?あなた、一年の時もそんなに成績が良くなかったんだから」
「え……」
それはそうだけど、何もみんなの前で言わなくても。
それにキヨ君を見ていたわけじゃない。
ちがう、のに。
あちこちからクスクス笑いが起こって、カーッと頬が熱くなっていくのがわかる。