「ラ、ラブレター、だよ……っ」



キヨ君に渡すために、必死に気持ちを込めて書いたんだ。



「なんで俺なわけ? こんなの受け取っても、俺は渡さないよ?」



「え?」



俺は……渡さない?


ん?


待って。


わけがわからない。



そっと顔を上げると、キヨ君は悲しげに瞳を揺らしながらわたしを見ていた。


その顔は、かなり傷付いているようにも思える。



「だいたい、海斗宛ての物を俺に渡すって……花梨ちゃんって、マジで空気読めねーよな」



え?


高野くん宛て?


まさか。


キヨ君は、わたしがまだ高野くんを好きだとカン違いしてる?



「ち、違うよっ……! これはキヨ君宛てで、さっきの告白も……」



キヨ君に対してのものだったんだよ?