「うん。読まなくて良かった〜って、安心してたから」



クスクス笑いながらキヨ君が言う。


その顔は、わたしの反応を楽しんでいるように見えて憎らしかった。


だけど、なぜか憎めなくて。


高野くんに気付かれなくて、ホッとしているわたしがいた。



「そっか、良かった」



信じて、くれたんだ……?



「花梨ちゃん、俺らの会話聞いてたでしょ? 調子に乗って、勝手に見ちゃってごめん。だから呪いの手紙だなんてウソついたんだよな?」



申し訳なさそうに眉を下げながら謝るキヨ君。


シュンとしちゃって、なんだか寂しげなウサギみたい。


それに、さっきからコロコロ変わる表情に目が離せない。