俺の方が、好きだけど。



「え?どこって……帰ろうかと」



「はぁ? なんで?」



え……?


なんでって言われても。


気に入らないというように、キヨ君が不服そうな目でわたしを見る。


帰っちゃダメってこと……?



「あ、杏子がひとりになっちゃうし。夜道は危ないから」



「アンちゃんなら男が下で待ってるから、花梨ちゃんが心配しなくても大丈夫」



え?


男?


もしかして、一緒に花火大会に行くかもって言ってた人かな。



「それより。大事な話があるんだろ? 俺、まだ聞いてないし」



「え? あ……」



そういえば、そうだった。


わたし、告白するつもりでキヨ君を呼び出したんだ。



「あ!」



そういえば、巾着がないんだった。


涙色のラブレターも手元にはない。



財布やスマホが入っているだけに、どこに落としたのか気になる。