俺の方が、好きだけど。



キヨ君の体から、力がスーッと抜けて行くのがわかった。


キツく回したわたしの手に、大きなキヨ君の手がそっと重ねられる。



ーードキン



柔らかい温もりに、大きく飛び跳ねる鼓動。


わたしったら、なんて大胆なことを。


無意識とはいえ、恥ずかしすぎるよ。



「そういうことは……みんなが見てないところでしよう。ね?」



「へっ!? そ、そういうこと? あ! ご、ごめん……っ」



パッと手を離し顔を背ける。


体とか顔が焼けるように熱い。



気を取り直して、わたしはリビングのドアまで近付いた。


その場に崩れ落ちて、顔を覆いながら泣いているのは浴衣姿の寧々だった。