「ごめん……っなさい……っく」
なんでこんなに胸が痛いんだろう。
謝られて、許すとか許さないとかじゃなくて。
ただ、胸が苦しい。
謝られたかったわけでも、怒っていたわけでもない。
わたしは杏子から離れると、そっと立ち上がってキヨ君の後ろに回った。
ーーギュッ
「キヨ君……もう、いいよ」
もう、いいから。
わたしのために……キヨ君が怒らないで。
そんな顔をさせちゃってごめんね。
申し訳なさから、両手を回してキツく抱き締める。
「か、花梨ちゃん……っ」
戸惑うようなキヨ君の声が耳に届いた。
怒っているとは思えないほど穏やかな声に涙が溢れる。
「ごめんね……ありがとう」
でも、本当に大丈夫だから。



