ーーバンッ
「キヨ! 鈴峰!」
勢い良く開いたリビングのドアに、ビックリして思わずビクッとなった。
「花梨……っ! 大丈夫?」
「た、高野くん……? なんで? それに杏子まで」
え?
なに?
どうなってんの?
わけがわからないよ。
高野くんも杏子も、ダラダラ汗を流しながら息を切らしている。
髪の毛も服も乱れていて、急いでここに来たんだってわかった。
「な、なんでそんなに焦ってんの?」
「なんでって……っ、花梨が拉致されたって聞いて」
「え?」
「でも……っ無事で良かった」
杏子は目に涙を浮かべたまま、ガバッとわたしに抱き着いた。