「っていうかさ〜、誰が見てもバレバレだから! 呪いの手紙じゃなくて、本当はラブレターだってこと」
「う、うそっ」
渾身の演技だったのに。
うまく誤魔化せたと思ったのに。
バレてたんだ?
わー、最悪だよ。
バクバクと鼓動が速くなっていく。
かなり焦ったけど、大丈夫だと何度も心の中で言い聞かせた。
で、でもあれはほんとはラブレターじゃなくて……。
呼び出し状?みたいな。
ま、呼び出す時点で好きだと言ってるようなもんなんだけど。
「今時、あんなんで騙される奴はいねーよ」
ガーンという効果音が頭の中で鳴り響く。
クスッと可愛く笑われて、さらにショックが大きくなった。
ウ、ウソでしょ……。
「ぷはっ……もう! 花梨ったら」
すっかり力が抜けてしまったわたしの手を、杏子がタイミング良く退ける。



