ちょうど真ん中辺りに高野君の名前を発見した途端、ドキンドキンと胸の鼓動が大きくなった。


本人に会ったわけでもないのに、名前だけでこんなにドキドキするなんて。


わたし、相当重症かも……。


なんて思いながら、もう一度周りを見渡す。



よし、誰もいない。


誰かが出てくる気配もない。


慎重すぎるくらい何度も確認しているわたしは、周りから見ればかなり挙動不審な動きをしているだろう。


サッと開けると、高野くんの靴はまだ残っていて校内にいるんだということがわかった。


テスト前だということもあり、部活は全部活動禁止なので放課後はフリーなはずだ。


それにしても……。


今までにないっていうほど、ほんとにドキドキしてる。


心臓が口から飛び出しそうって、今みたいな状況でなるんだね。


一年生の時から高野くんは目立っていて、カッコよくて、オシャレで。


みんなの人気者だった。


わたしなんて可愛くもないし、地味だし相手にされるのかなぁ。


なんてことを考えたら一気に気持ちが沈んで暗くなった。


いざとなると臆病になって勇気がなくなる。


でもわたしは、振られる覚悟で今日告白するって決めたんだ。


だから、ここで逃げるわけにはいかない。