俺の方が、好きだけど。



想像を超えるほど、部屋の中はすごく広かった。


玄関は大理石だし、壁には高そうな絵画が飾られている。



キヨ君は片方だけ残った下駄を脱がすと、リビングまで行きソファーにわたしを座らせた。



そして、手に巻かれたガムテープを優しく丁寧に剥がしてくれる。



「痛い? ごめん、ちょっとだけガマンして」



「大丈夫だよ。それより、なんでわたしの居場所がわかったの?」



他にも疑問はたくさんある。



「役者が揃ったら、詳しく説明するよ」



役者……?



「それより、あの男に何された?」



「別に……何もされてないよ。未遂だったし」



タイミング良くキヨ君が来てくれたから、わたしは助かったんだ。



「未遂? 浴衣も乱れてるし、髪の毛もボサボサなのに? おまけにガムテープで縛られてるし」



眉を下げてツラそうに顔をしかめるキヨ君。