俺の方が、好きだけど。



キヨ君の家は歩いてすぐだった。


賑やかな通りを抜けた住宅街の中に佇むマンション。


一目見ただけで、高級マンションだってことがわかった。


エレベーターはガラス貼りになっていて、三十階まで部屋があるみたいだった。


キヨ君はわたしを抱いたまま器用に二十八階のボタンを押した。


エレベーターが上がって行くのと同時に、夜景が視界いっぱいに広がって行く。


……綺麗。



「お家の人……いるよね? わたしを見て、ビックリしないかな」



「大丈夫。両親は今、泊まりで旅行に行ってるから」



「そ、そうなんだ……」



ってことは、キヨ君と二人っきりってことか。


それはそれですごく緊張する。