俺の方が、好きだけど。



「そうかな? 可愛いと思うけど……」


高野くんが好きになるのもわかる気がする。


机に肘をつきながら、杏子はさらに毒舌を発揮する。



「ううん、あれは絶対に裏があるよ」



「も〜! 杏子ったら、人のことを疑うなんて良くないよ〜!」



「花梨がバカなのよ。昨日だって呪いの手紙だなんてウソついて……んぐ」



「しーっ!」



なぜか矛先がわたしに向いて、キヨ君に聞かれたくなくて杏子の口を手で塞いだ。


余計なことを言わないでと目で合図する。


キヨ君にバレたらどうしてくれるの?



「呪いの手紙のこと、アンちゃんも知ってんの?」



キヨ君が不思議そうに目を丸める。


上目遣いがやけに可愛くてキュンとした。



「あははー……! そうそう! うちらの間で流行ってんのっ!」



「ははっ。カリンちゃんって、ウソがヘタだよな〜!」



「え……?」



思わずポカンとする。


ウソがヘタ?


もしかして。


バ、バレてる……?


いや、そんなはずはっ。