約束の時間は、もうとっくに過ぎてるよね。
来てくれてるかな……?
呼び出しておいて行かないなんて、申し訳ないことをしちゃったな。
きっと、これで完全に嫌われちゃったよね。
……ごめんね、キヨ君。
胸が痛い。
なんで、こんなことになっちゃったんだろう。
「よく見るとお前も結構可愛い顔してるしな。たっぷり楽しませてもらうとするか」
さっきとは違う狭い部屋に連れ込まれた。
窓から差し込む月明かりに、コウ君の薄気味悪い顔が浮かぶ。
怖くてブルッと身震いしたわたしは、何をさらるかわからない恐怖で固まった。
連れ込まれたドアの微妙に開いた隙間から、ヨリ君が走って行くのが見えた。
「あの腰抜けが! 逃げやがって、タダじゃおかねー。やることやったら、ブッ殺しに行ってやる」
ちっと舌打ちが聞こえたあと、荒々しく床に押し倒された。