俺の方が、好きだけど。



「このまま足も縛っちまうか」


背中に感じる重みがスッとなくなり、一瞬だけわたしは解放された。


だけど、すぐにコウ君の手が足に伸びて来てガムテープで縛ろうとする。



「ちっ、取れねーし」



ガムテープ同士がくっ付いてしまい、コウ君はそれを剥がすのにイライラ。


諦めたのかそれをポイと投げると、床に転がっていたガムテープのロールに手を伸ばした。


ヨリ君はコウ君には手をかしておらず、関わりたくないといった感じで床に座り込んでいる。



大丈夫……いける。


よしっ、今だ!!


仰向けになり、しゃがみ込むコウ君のアゴ目掛けて思いっきり蹴り上げた。



「うぐっ」



鈍い音と共に聞こえた呻き声。


スルッと脱げた下駄が、宙に弧を描いて飛んで行く。