「ちっ。なに怖じ気付いてんだよ」
「けど……犯罪だろ? 俺、前科持ちになるなんて嫌だし」
焦って戸惑うヨリ君に、再び舌打ちが聞こえた。
「使えねーな、てめえは。バレなきゃ大丈夫に決まってんだろ?」
イライラしたように言い、床に転がっていたガムテープを拾い上げるコウ君。
すぐに立ち上がると、広い部屋の中にポツンと置かれていたボロボロのソファーにわたしを投げ飛ばした。
「きゃあ……っうぐっ」
あまりの痛さと勢いに思わず叫ぶ。
顔面を打ったせいで、頬がヒリヒリ痛んだ。
反動で舌先を噛んでしまい、口の中に鉄の味が広がる。
起き上がろうとした背中の上に、突然重みを感じて顔を歪めた。
「大人しくしてろよ? 騒いだら、タダじゃおかねー」
後ろから両手を掴まれ、ガムテープをグルグル巻きにされる。
ガッチリ固められ、起き上がることさえ出来ずにそのまま力なくソファーにうなだれた。



