俺の方が、好きだけど。



爽やかにニコッと笑いながら、大石さんはわたし達の前を通り過ぎて席へと向かう。


軽く染めているのか淡い茶色のサラサラの髪と、ほんのりピンク色に染まる頬。


大石さんが来たことで、クラスの男子が急に浮き足立ち始めたのがわかった。



「すっげえ可愛い」


「やべーよな」



ひそひそ声があちこちから聞こえても、大石さんは気に留めることなく凛としながら席に着いた。



「相変わらず、美人を鼻にかけててヤな感じね」



杏子が険しい顔をしながら毒を吐く。



「そうかな?堂々として、すごいと思うけど……」



「どこが? 前から気に食わないんだよね。私、モテるでしょオーラが満載で」