「海斗が食べたい物だけ買えば? ちょっと疲れたから、あたしと花梨はそこで休んどく」
この短時間で人混みに疲れたのか、ぐったりしながら寧々が石段の方に歩いて行く。
わたしも後を追って歩いた。
暑いし、人混みだし。
何より、心配で寧々をひとりには出来ない。
「鈴峰は何かいる? あれば買って来るけど」
「あ、じゃあ何か飲み物を……」
「オッケー」
寧々を放っておけず、わたしは高野くんにお願いした。
お金は後で払えばいいよね。
「はぁ。もう帰ろうかな」
石段に腰を下ろし、ひとりごとのように寧々がつぶやく。
辺りは薄暗くなって、豆電球の明かりが煌々としていた。



