俺の方が、好きだけど。



ちょっと落ち着いたのか、ブツブツ文句を言い始める寧々。


それでも、キョロキョロして辺りを気にしているのは明白。


表情も、まだどこか強張っている。



「心当たりはないの?」



「あるわけないでしょ!」



「そっか」



ピシャリと言い切られ、肩をすくめる。


まぁでも。


心当たりがあったら、とっくに言ってるはずだよね。



これだけの美貌の持ち主だし、ストーカーされてるって言われても不思議じゃない。



「寧々ちゃん、鈴峰!」



わたし達の姿を見つけた高野くんが走り寄って来る。



「いい? ストーカーのことは、絶対にヒミツだからね」



寧々にそう釘を刺され、わたしは何も言えなかった。



「うっわ。寧々ちゃんの浴衣姿マジ可愛い〜!」



「何言ってんの? バッカじゃない。何着ても似合うのは当たり前でしょ」



「いや、そうなんだけどさ〜! 思った時に伝えねーと!」



「海斗って、いちいちうるさいよね」



デレデレする高野君に対して、寧々はかなり冷め切っている。


寧々はプイと顔をそらして、そっぽを向いてしまった。