トイレ、トイレ……!
神社の中は広くて、トイレを探すのに一苦労。
下は砂利で、下駄を履いているせいか歩きにくくて余計に時間がかかった。
それにしても……。
あんな寧々は初めてだった。
きっと、何かあったんだ。
早く行かなきゃ。
だけど。
あー!
もう!!
歩きにくくて仕方ない。
巾着袋を腕に通すと、両手で浴衣の裾を持ち上げた。
そして、小走りで公衆トイレを探す。
「あ、あった……! ここ、かな?」
周囲にひと気はなく、遠くで喧騒が聞こえている。
木の影になっているせいか、ここだけやけに薄暗いような気がした。
「ね、寧々……? いるの?」
恐る恐る中に入って呼んでみる。
すると、一番手前のトイレのドアが音を立ててゆっくり開いた。



