俺の方が、好きだけど。



確か……待ち合わせ場所はここで良かったよね?


バスから降りると、神社の境内の前に向かった。


まだ明るい時間帯のせいか、浴衣姿の人がちらほらいるくらいでそこまで混雑はしていない。



大きな花火大会だから、遅くなるにつれて人は増え続けるんだけど。


巾着の中でスマホが震えているのに気付き、わたしは立ち止まって確認した。



『着信 寧々』



「あ……花梨? 悪いんだけど、神社の公衆トイレまで来てくれない?」



えっ?



「トイレ? なんで?」



「お願い! 説明してるヒマはないの……!」



なぜか焦っている様子の寧々。


切羽詰まったような雰囲気が伝わって来た。



「わ、わかった。すぐ行く」