かすかに触れる温もり。
しなやかで細いけど、キヨ君の指は長くて綺麗。
血管の浮き出た男らしい腕が、ドキドキを余計に跳ね上がらせた。
どうして……?
わたしのことが嫌いなんでしょ?
話したくないんでしょ?
それなのに……こんなこと。
「ぷっ。顔、真っ赤」
クスッと笑うキヨ君は、余裕たっぷりで照れている様子はない。
「だ、だって……! キ、キヨ君が……そんなことするから」
真っ赤にならない方がおかしいよ。
キヨ君は何気なくしたのかもしれないけど、わたしにとっては意味があるんだ。
「花梨ちゃん、子どもみたいだからさ」
「こ、子ども……」
なんだかショックだ。
キヨ君はわたしの気持ちなんて知らず、まだクスクスと笑っている。
キヨ君にとって、子どもみたいなわたしは恋愛対象にはならないと言われているみたいで悲しかった。