俺の方が、好きだけど。



「清野は、花梨がまだ高野を好きだと思ってるわけでしょ? だったら、身を引きたくなる気持ちわかるな〜」



「う、うん……確かに好きだって思われてるけど」



身を引くって……どういうこと?


なんだかさっきから、杏子と話が噛み合ってない気がするんだけど。



「まぁ、頑張れ!」



肩をポンと叩かれる。



「塾だから、そろそろ行くね! 明日はギリギリでドタキャンするのもアリなんじゃない? 花梨から清野を誘ってみれば? じゃあね」



ド、ドタキャン……?


わたしからキヨ君を誘う?


そんなこと、度胸がないわたしに出来るわけがない。


それに誘ったって来てくれるわけがないよ。


わたしは……嫌われてるんだよ?



杏子は爽やかにクスッと笑うと、トレーを持ってお店をあとにした。