俺の方が、好きだけど。



英語の補習はちゃんとした授業だった。


何を言ってるのかちんぷんかんぷんで理解出来ない。


休憩中高野くんはキヨ君に絡みにいき、わたしはそれを遠くから見ていた。



「ほんといい迷惑だよ。なんであたしが海斗と花火大会に行かなきゃなんないわけ?」



大石さんは頬杖をつきながら、唇をムッと尖らせる。



「いいじゃん。元はといえば、大石さんがウソつくから悪いんだし」



「…………」



わたしの声に黙り込む大石さん。



そして、観念したかのようにはぁとため息を吐いた。



「前から言おうと思ってたけど。あたし、名字で呼ばれるの嫌いなの。だから、下の名前で呼んで」



「えっ?」



「寧々でいいから。あたしも花梨って呼ぶし」



「あ、うん……」