俺の方が、好きだけど。



「何してるの? 早く入りなさい。遅刻扱いにするわよ」



ドアの前で立ち尽くしていると、先生がやって来て冷ややかにわたしを見下ろす。



ううっ。


この先生苦手なんだよね。



「す、すみません……」



うつむきながら音楽室に入る。


なぜか突き刺さるほどの視線を感じた。



補習者は他にも数人いて、わたしはキヨ君の横を通り過ぎて一番うしろの席に座った。


隣には大石さんがいて、その隣にはなぜか高野くんがいる。


な、なんで?


高野くんも補習!?



「寧々ちゃん、今度の土曜日ヒマ? 一緒に花火大会行かねー?」



「ヒマじゃない。鈴峰さんと約束してるから」



えっ!?


や、約束?


そんなの、してないんだけど。



「マジ? なら俺も行っていい?」



「はぁ? やだよ」



ヘラッと笑う高野くんに対し、大石さんは嫌そうな顔をする。