俺の方が、好きだけど。



夏休みに入って一週間が経った頃、今日もわたしは朝から補習だった。


最悪なことに、今日は英語だ。


他のクラスにも補習者がいるみたいだったので、今日は音楽室でやるらしい。



「悠くんが補習!? なんで?」



音楽室の前に着いた時、中から声がしてドアを開けようとした手を止めた。



ドアのガラス窓から見えるのは、前に見たことがあるキヨ君の女友達。


その隣にはキヨが座っていた。



「途中から、解答欄がズレてたんだよ。マジでバカなことしたし」



「うっそ。信じらんない。悠くんがそんなミスをするなんて」



「だよな〜。俺も自分でビビッた」



悠くん……。


彼女はキヨ君のことをそう呼んでるんだ。



ーーズキン



胸が痛くてその場から動けない。


二人の中に入る勇気がわたしにはなかった。