俺の方が、好きだけど。



ドアの向こうから現れたのは大石さんだった。



大石さんはわたしとキヨ君を見て、少しだけビックリしたような顔をした。



「鈴峰さんがいるのはわかるとして、なんでキヨ君がいるの?」



「し、失礼な……」



まるで、わたしがバカだって言ってるみたいじゃん。


実際その通りなんだけど、当たり前のようにそう言われるとなんだか悔しい。



「俺は答案用紙に名前を書き忘れたんだ」



「へえ。A型で慎重なキヨ君でも、そういうミスをするんだね」



「まぁ、いろいろあってさ」



淡々と言う大石さんに苦笑いをするキヨ君は、目をそらしたりすることなく普通に受け答えしている。



胸が締め付けられて苦しい。


わたしだって……キヨ君と普通に話したいのに。