「キヨ君も補習なんですか?」
なんで?
頭が良いキヨ君が補習だなんて信じられないよ。
「解答欄がひとつずつズレてたり、名前書き忘れたり。初歩的なミスが目立っててな、先生も悩んだんだが不合格にしたんだ」
「そ、そうなんですか……」
キヨ君……どうしちゃったの?
そんなミスをするなんて、しっかり者のキヨ君らしくない。
「お前、人のことを心配してる場合じゃないだろ? しっかり気合い入れろよー。俺の補習は厳しいぞー」
「げっ。最悪」
思わず本音が口から出た。
だって、先生の担当教科は化学だから。
苦手なんだよね、化学って。
「化学の補習は鈴峰と清野と大石の三人だけだから、わからないところは二人に教えてもらえ。あいつら、頭はいいからな」
「え……!?」
さ、三人だけ……?
それ、かなり困りますっ!!



