俺の方が、好きだけど。



すると、キヨ君の体がビクッと揺れる。


そして、大きく目を見開いてわたしを見た。



「だから……簡単にそういうことすんなって、前にも言わなかったっけ?」



「えっ……?」



言われたことの意味を頭で考えるよりも先に、キヨ君の冷たい声に固まってしまった。



「頼むから……これ以上俺の中に入って来ないで」



冷たく見下ろしていたかと思えば、今度は切なげに瞳を揺らすキヨ君。



なに……?


どういうこと?



「わ、わたし……キヨ君に話が」



「ごめん。俺はないから」



そう言われ、掴んでいた手を引き離された。


——ズキン


激しく痛む胸。


話もしたくないほど嫌われたってこと?