「ったく。こんなところで暑苦しい友情なんて見せつけないでよ」
なんだか今日は、大石さんのご機嫌がいつも以上に悪いみたいだ。
いつもなら絡んで来ることなんてないのに。
「あら〜、お熱い友情を見せつけて悪かったわね」
カチンと来たのか、杏子が強気に言い返す。
「ほんとくだらない」
大石さんも負けん気が強い。
二人の間には火花がバチバチ散っていた。
お互い気が強いから、どうしても合わないらしい。
「そんな友情、バッカみたい」
フンと鼻を鳴らして、大石さんが去って行く。
少し寂しそうなその背中から、なぜか目が離せなかった。
「清野、おはよう」
ーードキン
杏子の声にハッとする。
清野っていう名前に鼓動が大きく跳ねあがった。
「アンちゃん、おはよ」