俺の方が、好きだけど。



だけど、どうやって?


メンタルを鍛えるって難しいよ。


ちょっとやそっとでへこたれない心の持ち主になりたいのに。


せめて、杏子みたいに可愛かったらなぁ。



「あ、おはよう〜! 呪いの手紙の子!」



教室の廊下側の窓からひょこっと顔を出したのは、キヨと呼ばれていた男子。


クリッとした大きな目と、愛嬌のある可愛らしい笑顔。


茶髪のゆるふわパーマがよく目立つ、王子様系の可愛い男子。


人懐こい笑顔が、すごく親しみやすく感じる。


二年生になって数日だけど、彼のことは良く知っていた。


アイドル並みに可愛いって評判で、高野くんの次くらいに人気のある人だったから。



「の、呪いの手紙の子……?」


なにその覚え方。


しかも、昨日味方してくれてたよね。


それなのに。



「昨日はすっげえ印象深かったし」


「……っ」


最悪だよ、忘れてほしいのに。


どうせキヨ君だってばかだと思ってるんでしょ、わたしのこと。