高野くんのは教室の中に入って来た。
ニッコリ笑ってるけど、その笑顔はなんだか悲しげ。
「すごいウワサになってるな。誤解されるようなマネしてごめん」
「う、ううん……っ! 高野くんのせいじゃないよ」
「けど、いろいろ言われてるだろ? 俺のせいでごめん」
謝り続ける高野くんに、わたしは首を振り続けた。
だって、高野くんが悪いわけじゃないもん。
ウワサのことだって別に気にしてない。
わたしが気にしてるのは……キヨ君のこと。
「事実は違うんだし、堂々としてろよ。それでも何か言うヤツがいたら、俺が言ってやるし」
「あ、ありがとう。大丈夫だから」
やっぱり、高野くんは優しい。
良いところを大石さんにも見てもらえるといいんだけど。
って。
人の心配をしてる場合じゃなかった。



