俺の方が、好きだけど。



さすがにそこまで強くない。


わたしは杏子みたいに強くなれない。


杏子みたいに美人だったら、少しは自信が持てたのかもしれないけど。


自分に自信がなさすぎて『どうせわたしはダメな奴なんだ』って、嫌なことがあるたびにそう思い込んで生きて来た。



だから……覚えられてなくても仕方なかったんだよね。


昨日のことを思い出すと、不意に涙が溢れてくる。


せっかく勇気を出して手紙を書いたのに、読んでもらうどころか……。


わたしの恋はあっけなく散ってしまった。



「杏子みたいに可愛くなりたい」



「花梨の場合、まず心から鍛え直さないとね」



「ううっ。わかってる」



わたしだって、このネガティブすぎるところをどうにかしたいと思ってる。