ーーガラッ
ドアを開けると、それまで騒がしかった教室内が一瞬で静まり返った。
えっ?
なに?
まさか、ここも?
「花梨、おはよう」
そんな中、シーンとした空気を破ったのは杏子だった。
さすが親友!
杏子〜!
「お、おはよう……」
わたしはクラスメートからの視線を避けるように、杏子の席へと向かう。
杏子は机に頬杖をつきながら、周りの女子達を興味なさげに見ていた。
「ね、ねぇ。わたし……いつの間に高野くんの彼女になったの?」
周りの目が気になるから、コソッと杏子に耳打ちする。
なんでこんなに注目を浴びてるのか、自分でもかなりナゾだった。