笑顔が消えて、一瞬で表情が曇った。
聞いちゃダメだったかな。
でも……。
「まぁ、な。けど……俺、寧々ちゃんに嫌われてたみたいでさ。この前、いろいろ言われたんだ」
大石さん……高野くんにどんなことを言ったんだろう。
気になるけど、高野くんの傷を広げてしまうことになりかねないので聞けない。
「でも、諦める気はないから」
「え?」
諦める気はない?
「マジで好きだし、簡単に忘れられるわけねーよ。振り向いてもらえるまで、精いっぱい頑張るつもり」
悲しそうだけど力強いその瞳。
意思は固いんだと、思い知らされた。
傷付いていると思っていたのに、それ以上に高野くんは強かった。